線状降水帯に要注意
2022年09月02日
線状降水帯に要注意
2022年8月、東北や北陸地方で複数の線状降水帯が発生しました。
127の河川が氾濫し、死者1名、床上浸水1754棟、JR磐越西線の橋梁が倒壊するなど大きな被害※が出ました。
今回は、最近耳にする機会も増えた「線状降水帯」について解説していきます。
夏も終わりに近づき、これからは台風が多く発生する季節を迎えます。正しい防災知識を身につけて、万が一に備えていきましょう。
※2022年9月2日時点
滝のような雨が3時間ほど続く
最近耳にすることが増えた「線状降水帯」という気象用語。気象庁では、次のように定義されています。
「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50 - 300 km程度、幅20 - 50 km程度の強い降水をともなう雨域」
具体的に言うと、傘が役に立たないほどの滝のような雨が、同じ場所で3時間ほど続くイメージです。
線状降水帯は、豪雨災害ではかなりの確率で関係性があるようです。
線状降水帯がひとたび発生すると、大雨災害の発生危険度が増します。
線状降水帯の基準値である3時間雨量が150ミリを超えてくると河川が増水し、洪水の被害の危険性も出てくるからです。
気象庁からの呼びかけに耳をかたむけ、ハザードマップや避難所・避難経路の確認などを迅速に行うことが大切です。
集中豪雨は45年で2倍以上に
気象庁気象研究所の分析によると、線状降水帯などでもたらされる集中豪雨の頻度が、この45年間で2倍余りに増えていることがわかりました。
3時間に降った雨量が130ミリ以上に達した場合を「集中豪雨」と定義して45年間の頻度の推移をみると、1976年には31回だったのが、2020年は67回と、2倍以上に増えています。
線状降水帯の被害例で記憶に新しいのは、熊本県を中心に発生した「令和2年7月豪雨」です。
熊本県球磨村では、7月3日午前10時から4日午前10時までの24時間降水量が455.5ミリを観測。これは平年の7月に降る1カ月分の雨が、たった1日で降ったということになります。
これだけ局地的に大雨が降れば、甚大な被害が出ても不思議ではありません。
半日前予測で早めの安全確保を
このような近年の大規模な豪雨災害の頻発を受け、2020年8月に宅建業法が改正されました。
不動産取引時にハザードマップを提示し、対象物件の位置を示しながら説明することが義務付けられたのです。
また、2022年6月から線状降水帯が発生する恐れがある場合、気象庁は半日程度前から予測情報を発表することが決定しました。
線状降水帯が発生する恐れがある場合は、危機感をもって大雨災害発生へ備えましょう。少しでも前に把握できれば、余裕をもって避難準備ができます。
これから物件を購入する予定の方は、ご自身でも希望エリアのハザードマップ情報の確認をしましょう。
例えば静岡市のハザードマップなら、静岡市のサイトから確認することができます。
まだご覧になられていない方は、ぜひこの機会にご確認を!