変動金利「5年ルール」「125%ルール」

2023年02月24日

変動金利_5年_125%ルール

変動金利の「5年ルール」と「125%ルール」を解説

 

低金利が魅力の変動金利。一方で、将来的に返済額が上昇する可能性もあります。

 

2022年末に日銀が政策を修正したことにより、固定金利は上昇傾向に転じました。

 

次は変動金利も上がるのでは……と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、これから変動金利の利用を検討する人に向けて「5年ルール」「125%ルール」について解説していきます。

 

 

変動金利の適用金利は半年ごとに見直されます。

 

金融機関の多くは、4月と10月に見直しを行い、翌々月から適用されます。

 

現在は日銀の金融政策により変動金利に影響する指標がコントロールされていることから、変動金利に大きな動きはなく、約20年横ばいの状態です。

 

しかし、金融政策の方針転換により、今後は適用金利が上昇する可能性もあります。

 

 

金利上昇リスクに効く「5年ルール」と「125%ルール」

 

適用金利の上昇は、返済額の上昇に繋がり、家計にとっては悪影響です。

 

それを少しでも抑えるために設けられた仕組みが「5年ルール」です。

 

元利均等方式で変動金利を借りた場合、5年間は毎月の返済額が変わりません。

 

元利均等方式とは、毎月の返済額が一定となる返済方法で、変動金利を選ばれる方の多くが選ぶ返済方式です。

 

5年ルールにより返済額は5年間変わりませんが、適用金利が変われば返済額に占める元金と利息の割合が変わります。

 

例えば、毎月の返済額が8万円で元金が7万5,000円、利息が5,000円とします。適用金利が上がって支払利息が増えると、月8万円の返済額は変わらなくとも、内訳が元金7万円、利息が1万円と変わる可能性があります。

 

 

では、金利が上昇傾向にある中で5年経過するとどうなるのでしょうか。

 

6年目にその時点の適用金利によって、返済額が見直されます。

 

このとき、適用金利がどれだけ高くなっていても、返済額の上限は125%までに抑えられます。これは「125%ルール」といわれます。

 

例えば毎月の返済額が10万円の場合、見直し後の返済額上限は月12万5,000円になります。

 

 

急激な金利上昇が続くと裏目に出ることも

 

変動金利が大きく上昇し続けた場合、元金と利息の割合が逆転して返済額がほぼ利息という可能性も出てくるかもしれません。

 

さらに、返済額では返しきれない利息が発生すると、「未払利息」として翌月以降の返済に繰り延べされます。

 

多くの場合、最終回の返済日に、未払利息分は残りの元金とともに全額を一括で返済する必要があります。最後に皺寄せが来てしまうのです。

 

 

一部では「5年ルール」や「125%ルール」を設定していない金融機関もあります。

 

この場合、適用金利が上がればその時点で返済額が上がります。

 

変動金利であっても、どちらのタイプかを確認しておくと良いでしょう。

 

 

変動金利は、こうした特徴やリスクをふまえて慎重に検討することが大切なのです。

 

 

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