マンションの音問題に「遮音等級」

2021年11月12日

マンションの音問題に「遮音等級」

マンションの音問題に「遮音等級」

 

今回のテーマは「遮音等級」です。マンション選びの際に気になることのひとつが「音問題」ではないでしょうか。特に小さいお子様がいるご家庭は、下階の迷惑になるのではないかと不安に感じる方も多いようです。遮音等級とは何か、遮音対策として具体的にどんな方法があるのかを基本的なポイントをご紹介していきます。

 

床に伝わる衝撃音には「重量」と「軽量」の2種類があります。重量衝撃音(LH)は、高い所からジャンプするなどして重量がかかった場合の衝撃音。床のコンクリートスラブが振動することにより伝わります。よって、スラブの厚み(200mm以上がおススメ)が見るべきポイントとなります。リフォームでは変えられない範囲のため、物件選びが肝になります。

 

軽量衝撃音(LL)はスプーンなど、軽いものを落としたときのカツンという音です。マンションでは一般的には管理規約で「LL-○○以上を使用」と遮音等級の数値が定められます。LL-55以下を防音床材とし、その中でもLL-45以下が望ましいとされています。数値が小さければ小さいほど、遮音の性能が高くなります。

 

また、現在ではΔL等級(デルタ・エル・とうきゅう)という新しい尺度が徐々に採用され始めています。ΔL等級は、空間性能の推定ではなく床材が床衝撃音をどれだけ抑えられるかという製品単体の低減性能をあらわしているもので、LL表記と比べて製品に対しての試験結果の表示がわかりやすく、多くのマンションで採用され始めています。

 

では、遮音を取るための3つの方法についてみていきましょう。

 

マンションの音問題に「遮音等級」1

写真:toolbox

1つ目は遮音フローリング。フローリング材の裏面にフェルトなどのクッション材がついているものです。他の工法よりも安価に施工できるがメリットです。しかし、選べるフローリングの種類が少ないこと、基本的に床下に配管などができないため、水回りの位置を大きく変えるようなリノベーションには不向きといえます。

 

マンションの音問題に「遮音等級」2

2つ目は置床フローリング。遮音束とパーチクルボードと呼ばれる材料を使って、床を全体的に上げる工法です。床下に空間をとれるため、配線や配管を回しやすく間取りやレイアウトが比較的自由になることや、床材を選ばないゆえ、単体では遮音が取れない無垢フローリングも施工できるのがメリットです。床と工事費が上がるのがデメリットです。

 

3つめはカーペットや畳。カーペットはそれ自体が遮音性能を持っているものが多くあります。フローリングと比べて施工費が比較的安価であること、貼り替えもフローリングよりも比較的簡単に交換できるのがメリットです。ダニやほこりなどの心配、汚れが付きやすいので液体をこぼすとシミになりやすいのがデメリットです。

 

このように床の遮音といっても様々な基準や施工方法があります。リフォーム・リノベーションでは、ご自身のライフスタイルにあった床選び、防音対策が大切になります。それぞれ一長一短があるので、それぞれのメリットデメリットを理解した上で、最適な対策をしていくことをおススメします。

 

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