避けるべき構造③セットバック構造に要注意

2021年01月29日

セットバック構造 トップ

セットバックとは

セットバック図

中古マンションは新築と比較すると安いというメリットがある一方、耐震性について不安視される方も多いのが事実。でも選び方さえ気をつければ大丈夫です。今回は、避けるべき構造のひとつである「セットバック」についてお伝えします。今年中古マンションを検討されている方は是非参考にしてください。

 

マンションは日照権の問題などで、下階よりも上階を後退させて建てる場合があります。これが今回のテーマであるセットバックのことです。マンションでは、セットバックでできた下階の屋上を、ルーフバルコニーとして使用することもあります。下の写真のようなマンションを見たこともある方も多いのではないでしょうか。

ルーフバルコニー

写真:ライフルホームズ

 

セットバックとは、建造物を後退させるという意味ですが、建築や不動産業界では、いくつかの意味合いで使われています。このうち、今回テーマにしているセットバックは「日照の確保などのために、建物を建てるときに上階を下階よりも後退させること」です。紛らわしいため、先に述べておきます。

 

フラット35が使えない可能性

なぜセットバックしている物件に注意すべきなのか。それは、フラット35が使えない可能性があるからです。具体的には下記の2点に該当する場合、耐震性に関する基準に満たないとされ、フラット35が利用できません。

 

①   セットバックしていない部分の長さが建物全体の長さの⅔を超えていること
※壁式構造の場合は½

②   建築確認日が昭和56年5月31日以前の場合

 

大まかにいうと、耐震性が強い構造とは、シンプルな形をしています。基準をこえるほどセットバックしている物件は、構造上バランスが悪く、大きな揺れのときに局地的に倒壊する可能性があります。シンプルイズベスト。上から見ても横からみても、綺麗な形をしている物件の方が構造上強いのです。

 

参考:https://www.flat35.com/files/100010606.pdf

 

リセールバリューにも影響

フラット35が使えないということは、「担保価値が低い」とお金を貸す側が判断したことを意味します。購入者が民間ローンや現金のみでフラット35を利用しない人に制限されるため、当然リセールバリューも下がります。今後ライフスタイルに変化があり、住み替えで売却する際、不利になる可能性もあります。

 

セットバック構造に要注意

セットバック構造を全て避ける必要はありませんが、セットバックしている場合には注意が必要です。建築確認日が昭和56年5月31日以前で、セットバックしていない部分の長さが建物全体の長さの⅔を超えている場合は耐震性に乏しく、リセールバリューも低い可能性があります。判断に迷う場合は、是非不動産のプロに相談してみてはいかがでしょうか。

 

参考:住宅金融支援機構の耐震評価基準

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