マンション建替えの現状

2021年06月04日

建替え

マンション建替えの現状

中銀タワービル、解体と前提する業者に売却へ

建築家・黒川紀章の代表作「中銀カプセルタワービル」。ブロックを積んだような印象的な外観。銀座のアイコニックな存在であるこの建物には、日本だけではなく世界中にファンがいます。同ビルは1972年築。老朽化により解体か保存かで議論が続いていましたが、ついに先日、解体・建て替えを計画する不動産業者に売却されることが決まりました。

 

そこで、今回は「マンションの建替え」について取り上げます。建替えについて正しく知り、物件選びにお役立て頂ければ幸いです。

 

なぜ建替えが進みにくいのか

まず、国内のマンション建替えの現状です。マンション建替えの実績は、2019年4月時点で累計「244件」、「約19,200戸」です。築40年越えのマンションは全国で「約81万戸」あります。築40年以上のマンション数を分母としても「0.03%」しか建て替えられていないことになります。これが建替えの現実です。

 

出所:国土交通省

 

なぜ建替えが進まないのか。建替え決議には、住民の4/5の賛成が必要で、この合意形成が難しいことが大きな理由です。例えば、ここで一生を終えると主張する高齢の方がいて交渉が長引いたり、正当事由がないと賃借人に退去してもらう事ができない借地借家法が立ちはだかり、賃貸人がなかなか出ていかなかったり、そもそも建替え費用が捻出できなかったりと理由は様々です。

 

更にやっかいなのが「既存不適格マンション」の存在。既存不適格マンションとは、建てた時は適法でしたが、後の法改正で不適格となった物件のことをいいます。例えば、建設時には容積率200%だったものが、現在は100%になっている場合。建替えると今の半分の大きさにしかできません。住民の半数が出ていくか、一戸当たりの広さを今の半分にするかのどちらかにする必要があります。よって現実的には建替えの合意形成を得るのは難しいのです。

 

では建替えに成功しているのはどんな場合なのでしょうか。建替えが実現したマンションのほとんどは、容積率が余っていたために以前より大きな建物を建てることができ、余剰分を売却することによって建替え資金を捻出できたケースです。

 

長く住み続けられるマンションを選ぶ

建替えか修繕して長く使うか。建替えのハードルの高さを考えると、修繕をして長く住むことを考えるのが現実的です。飯塚裕(1979)「建築の維持管理」鹿島出版会によると、鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は推定117年。そこで大切になるのが管理。マンションは管理を買えというくらい管理状態が重要。管理については、是非こちらの記事も参考にして頂ければ幸いです。

 

■重要事項調査報告書について

https://www.aiwasan-baibai.com/blog/20-5-1tyousahoukoku/

 

■長期修繕計画について

https://www.aiwasan-baibai.com/blog/tyoukishuuzenkeikaku/

 

■修繕積立金について

https://www.aiwasan-baibai.com/blog/shuuzentumitatekin/