建物物件調査で中古物件の不安解消
2022年11月04日
建物物件調査(インスペクション)で中古物件の不安解消
中古物件の購入には、漠然とした不安がつきまといます。
購入した物件に欠陥があったらどうしよう、雨漏り被害があったらどうしよう……
そんな不安を解消してくれるのが、今回ご紹介する「建物状況調査」(インスペクション)です。
第三者目線で建物状況の詳細を把握できるため、売主買主双方の安心につながります。
2018年に宅地建物取引業法が改正され、中古住宅の売買時にお客様へ「建物状況調査」(インスペクション)の説明をすることと、希望に応じたインスペクションの斡旋をすることが義務化されました。契約不適合責任の改正に伴い、売主側の責任が重くなったため、インスペクションの重要性はより高まっています。
建物状況調査とインスペクションは違う
「建物状況調査」と「インスペクション」には相違点があります。
まず、説明が義務化された「建物状況調査」は、宅建業法で定められた基準である既存住宅インスペクション・ガイドラインに沿って行われます。調査項目はおおよそ40程度あります。ただし、説明が義務化されただけで、建物状況調査そのものは義務化されてはいません。
一方で「インスペクション」は、建物状況調査よりも広範囲な調査項目があり、瑕疵保険法人に登録している検査会社によって検査項目が異なります。インスペクション大手のさくら事務所では、調査項目が100以上にものぼります。
例えば「インスペクション」にあって「建物状況調査」にない項目は下記のようなものがあります。
・設計図書との照合
・現行の建築基準関係規定への違反の有無の判定
・耐震性や省エネ性などの住宅に関する個別の性能評価の判定
・劣化事象が建物の構造的なものか、欠陥によるものかなどの瑕疵の有無や要因の判定
戸建てのインスペクションでは、外周部は屋根の雨漏り、基礎、外壁、サッシまわりのひび割れの有無を目視で確認します。内装は雨漏りの有無、柱梁床組のひび割れや劣化、床の傾きを確認します。
マンションでは、外周部は個人では修繕することが難しいため、主に内装を中心に各項目を確認していきます。
現場で目にする機会がまだまだ少ないインスペクション済みの物件ですが、実施されているか、実施されていないかでは安心感に大きな差が生まれます。
インスペクションにより、詳細で正確な「建物状況調査」の記載にもつながります。売主にとっても買主にとってもメリットの多い「インスペクション」
今後のより一層の普及が望まれます。